5.サンプリング

 農産物や工業原料等の品質評価では、誤評価を生む原因の80%がサンプリング段階で生じると言われている。したがって木質チップロットの品質を正しく評価するためには、対象ロットの平均的性状を示す試料をサンプリングする技術が重要となる。本規定でのサンプリングは原則的にJIS M 8100の規定に則るが、木質チップに固有の特性等もあることから、それらを考慮したサンプリング法を規定し、本規格の附属書として添付した。 
 具体的には、このサンプリング法に従って各チップロットを代表する品質を持った「分析用試料」を調整し、この分析試料を用いて以下の品質試験を行うものとする。

6.試験方法

 5.サンプリング方法によって調整した分析用試料を用い、以下の方法によって試験する。

6.1 粒度分布測定方法

6.1.1 試料

分析用試料から約3kg試料を採取する。

6.1.2 分析および測定用器具

(a) はかり: 10gの桁まで測れるもの。
(b) 定規:1mmの桁まで測れるもの。
(c) ふるい:目開き4, 8,16,26, 31.5,45,63および90mmのもの。
(d) ふるい振とう機:準備することが望ましい。

注:ふるいおよび振とう機については、図1の手動ふるい器が便利である。目開きが正しければ自作でも可能。目開きの異なるものを重箱のように積み重ねる構造に設計すると操作性がアップする。

6.1.3 操作

(a) 試料の質量を10gの桁まで測定する。
(b) 目開きの大きいふるいから小さいふるいの順に十分にふるい分けする。
(c) 各目開き区分毎にふるい分けされた試料の質量を10gの桁まで測定する。
(d) ふるい分けされた試料の中で最長のチップの長さを測定する。

6.1.4 結果の表示

供試試料の全質量に対する各目開き区分の試料質量の割合を1%の桁まで求め、表3の寸法区分における「微細部」、「主要部」および「粗大部」の構成割合(%)および最大長を求め、表3に照合して該当する寸法区分記号を求める。

6.2 水分の測定方法(全乾法)

6.2.1 試料

分析用試料から一測定当たり約100〜200g×測定回数分を採取する。

6.2.2 測定器具

  • 乾燥装置:換気が良好で試料の温度を105±2℃に保つことのできるもの。
  • 乾燥容器:底面積が広く高さが低いアルミ容器。
  • ポリ袋(チャック付き):試料を入れた乾燥容器を収納できる大きさのもの。
  • デシケータ:準備することが望ましい。
  • はかり:10 mgの桁まで測れるもの。

6.2.3 操作

(a) 乾燥容器の質量を10mgの桁まで測る。
(b) 乾燥容器に試料約100〜200gを入れ、その質量を10mgの桁まで測る。
(c) 予め105±2 ℃に調節した乾燥装置に入れ乾燥する。
(d) 乾燥減量が1時間につき0.1%以下になるまで乾燥を続ける(通常、12時間以上の連続乾燥でこの条件を満たす場合が多い)。
(e) 乾燥装置から取り出した乾燥容器と試料を速やかにポリ袋に移し、湿気を吸わないようにチャックで密封した後、シリカゲル乾燥剤の入ったデシケータに移し15〜20分間放冷する。なお、デシケータが無い場合はチャック付きポリ袋で二重密封した状態で同時間放冷する。
(f) 放冷後速やかに試料、乾燥容器およびポリ袋の質量を10mgの桁まで測る。
(g) 使用したポリ袋の質量を10mgの桁まで測る。
(h) 次式により水分M(湿量基準含水率)を求める。

M={ ( m1 - m2 -m3)/( m1 - m0 ) }×100(%)
ここに、M :試料の水分(湿量基準含水率) (%)

  • m0:乾燥容器の質量(g)
  • m1:乾燥前の容器および試料の質量(g)
  • m2: 乾燥後の試料、容器およびチャック付きポリ袋の質量(g)
  • m3 :乾燥後のチャック付きポリ袋の質量(g)

6.2.4 測定回数

測定回数は2回とする。2回の測定値の差が平均値の3%を超えた場合は3回目を行い、3回測定の中央値を採用する。

6.2.5 結果の表示

水分は、2回測定の平均値または3回測定の中央値を求め、小数点以下1桁に四捨五入し、表4に照合して該当する水分区分記号を求める。

6.3 灰分の測定方法

灰分の試験方法は、JIS Z 7302-1及びJIS Z 7302-4による。

ただし、試料は分析試料より必要量を採取し、適当な粒度(1mm以下)に粉砕した後、室内で重量変化がほぼなくなるまで放置したものを用いること。

6.4 窒素分の試験方法

窒素分の試験方法は、JIS Z 7302-1及びJIS Z 7302-8による。ただし、試料は分析用試料より必要量を採取する。 

6.5 硫黄分の試験方法

硫黄分の試験方法は、JIS Z 7302-1及びJIS Z 7302-7による。ただし、試料は分析試料より必要量を採取する。

6.6 全塩素分の試験方法

全塩素分の試験方法は、JIS Z 7302-1及びJIS Z 7302-6による。ただし、試料は分析試料より必要量を採取する。

6.7  ヒ素、カドミウム、全クロム、銅、水銀、鉛及び亜鉛の試験方法

砒素、カドミウム、全クロム、銅、水銀、鉛及び亜鉛の試験方法は、JIS Z 7302-1及びJIS Z 7302-5による。ただし、試料は分析試料より必要量を採取する。

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