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バイオマスのエネルギー利用:三つの原則

 バイオマスのエネルギー利用は多方面に及ぶが、ある地域でエネルギーとして使えるバイオマスの量は限られており、さらに食料・飼料の生産や木材のマテリアル利用と競合する可能性が高い。また持続可能なエネルギー政策の観点からすると、エネルギープランテーションの拡大や外国から大量のバイオマスを輸入することにも慎重でなければならない。
 ① ネルギー利用の最大のポテンシャルはバイオマス系の残廃物で、ドイツ国内で
  毎年700~1000PJ発生していると推定されるが、このうちの2/3はマテリアルま
  たはエネルギーとしてすでに利用されている。
 ② 現在220万ha(全農地の20%以上)にエネルギー作物が植えられているが、こ
  れ以上拡大する余地は乏しい。
 ③ イオマスベースのエネルギー担体の輸入は、由来が明確で、持続的に生産され
  たものに限るべきである。
 ④ バイオマスはカスケード的に利用さるべきもので、エネルギー利用はその末端
  に位置し、優先されるのは食料生産やマテリアル利用である。
 こうした提言から読み取れるのは、風力や太陽光で相当なエネルギーが賄えるから、バイオマスであまり無理をする必要はないというスタンスである。バイオマスのエネルギー利用では残廃物の活用に重点をおくべきで、食料・飼料生産の領域や木材のマテリアル利用の領域にまで食い込むべきではない。またエネルギープランテーションやバイオマスの輸入に対してもすこぶる慎重な姿勢を貫いている。あるいは、これが本来の姿かもしれない。

バイオマスが優先して使われるべき領域

 貴重なバイオマスは、技術的、経済的な理由により風力や太陽のエネルギーでカバーしきれない分野に振り向けられるべきである。重要なのは、全体としてのエネルギーシステムのコストをなるべく低く抑えることであり、バイオマスの限られたポテンシャルは、他では不可能か非常に高いコストをかけてしかなし得ない分野に投入さるべきである。現在の知見に基づいて判断すれば、次のような部門が候補に挙げられる。
 ① 交通においては航空、船舶、および重量物輸送
 ② 産業では100~500℃のプロセス熱の生産。具体的には化学工業、繊維工業、食
  品工業など。プロセス熱やプロセス蒸気はCHPで生産することができ、原料の高
  度利用にも繋がる。例えば木材加工業や化学工業では、マテリアル利用を優先さ
  せ、エネルギー利用を最後におくことで、より多くのCO2が削減される。
 ③ 建造物の分野で断熱など省エネの難しい建物でバイオマスが使われる。
 ④ 発電の分野では、バイオマスはもっぱら調整の役を担うことになる。つまり全
  負荷時間は減少するが、必要に応じて熱供給を切り離して運転することが多くな
  る。風力や太陽光の電気はバイオマスのそれよりも安くなるから、バイオマスの
  発電プラントは弾力的に電気を生産することになる。
 こうした見通しのうえに、2020年から2050年までのエネルギー源としてのバイオマスの利用の推移を図1のような模式図にまとめている。

動画:木質バイオマスエネルギー ~日本の森林を活かして 地球温暖化を救え!~