よくあるご質問 - 木質バイオマス熱利用について

木質バイオマスボイラーと化石燃料ボイラーはどのような違いがあるのでしょうか?

化石燃料ボイラーは燃料に化石燃料(A重油、灯油、LPガス等)を利用するのに対して、木質バイオマスボイラーは燃料に木質バイオマスを利用します。

木質バイオマスボイラーは、化石燃料ボイラーと異なり急激な出力調整が苦手であるため、一定の出力以上で連続運転することが望ましいとされています。

木質バイオマスボイラー導入時の留意点

化石燃料代の上昇により木質バイオマスの価格が相対的に有利になってきていますが、他方で木質バイオマスは設備費が相対的に高くなること、化石燃料とは使い勝手が異なることなどから、トータルコストで化石燃料よりも有利にならない限り、ユーザーがバイオマス導入のメリットを引き出すことは困難です。

このため、バイオマスボイラー導入に際しては、設備費を可能な限り抑えること、年間稼働時間が一定以上あることなどの条件をクリア―することが必要です。

灰処理について

木質バイオマス燃料は、燃焼によって0.512wt%(DB)の灰が必ず発生します。

灰の量は燃料の使用量に比例するため、燃料の消費量が多いと処理に関わる問題が大きくなります。木質バイオマスは自然の植物から得られたミネラルを含むため、灰は元の土地に肥料として還元するのが理想的ですが、一方で灰には重金属類なども含まれるため廃棄物として処理すべきだという見方もあります。それゆえ、灰の取り扱いには様々な基準が存在します。

必要な法手続き(関連法規への対応)

木質バイオマスボイラー導入の際には、法律・条令その他の規制が関わってくるため、該当する場合に許可の取得または届出を行い、規制を遵守する必要があります。また、導入後の運転に関しても毎年定められた測定・報告を行う必要があります。

木質バイオマスボイラー導入・運転に係る主要関連法令

法令名称 木質バイオマスボイラー導入・運転との関わり
 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃掃法) 廃棄物焼却炉(燃料が廃棄物)と判断された場合の、許可等に係る法律
ダイオキシン類対策特別措置法 廃棄物焼却炉(燃料が廃棄物)と判断された場合の、ダイオキシン類排出規制に係る法律
大気汚染防止法 ボイラー設置に伴って発生するばい煙並びに粉じんの排出等の規制に係る法律
騒音規制法 ボイラー設置に伴って発生する騒音の規制に係る法律
振動規制法 ボイラー設置に伴って発生する振動の規制に係る法律
水質汚濁防止法 廃棄物焼却炉(燃料が廃棄物)と判断された場合、排水および浸透水の規制に係る法律
肥料取締法 燃焼灰を肥料として有効活用する場合に係る法律
建築基準法 ボイラー施設の建屋申請、煙突の構造・技術基準等に係る法律
消防法 木材加工品および木くず等の指定可燃物の貯留に対する設備基準・届け出等の規制に係る法律
労働安全衛生法 ボイラーの設置及び運転の規制に係る法律
その他、県市町村条例 

燃料となる木質バイオマス及び燃焼灰が廃棄物に該当するか否かは自治体の判断に委ねられており、実際に自治体により判断が異なっています。

また、法令によっては、規制値の詳細や報告義務等を条例で定めることとしている例もあります。詳細については、自治体(県または市町村)への確認が必要です。

国の支援等について

木質バイオマス関連施設(ボイラー及び燃料製造工場等)導入においては、国などの補助制度が利用可能です。例えば、木質バイオマスボイラー導入前に行う経済性などの調査に対するソフト系助成制度、そして実際の設備導入時のハード系助成制度などがあります。以下、一般的な補助率を示します。

  • ソフト系助成制度:自治体を中心とする事業化可能性調査であれば全額補助
  • ハード系助成制度:公共施設では1/2補助、民間施設では1/3補助

木質バイオマスボイラーの燃焼技術について

木質バイオマスをエネルギーとして利用するためには、装置の選定が重要です。容量や対応する燃料種、得られる熱の種類、金額(初期投資、運転経費)も様々であるため、現場に最適な装置を検討しなければなりません。また、装置から生み出されたエネルギーをどのように利用するかといったシステム設計も重要です。こちらは既成品ではないので、ケースごとに対応する必要があります。

ボイラーの燃焼技術を理解することで、燃料品質に合致したボイラーの選択や効率的なエネルギー利用、燃料の品質管理の重要性、メンテナンスのポイントなどを知ることができます。

木質バイオマスボイラーの構造について

ボイラーの模式図(炎管ボイラー)
ボイラーの模式図(炎管ボイラー)

木質バイオマスのボイラーは、燃焼室(炉)と熱交換機で構成される装置です。バイオマス燃料は種類によって形状や水分、灰分などの品質が大きく異なるため、様々な炉が開発されています。また、熱交換機部分は、利用者が必要とするエネルギーの種類により、温水(低温、中温、高温)や蒸気など、熱媒体が異なります。

図の出典:木質バイオマスボイラー導入・稼働にかかわる運用テキスト

導入時のコスト低減化について

木質バイオマスボイラーへの投資を経済的に見合ったものにするためには、木質バイオマスボイラーの「設備費用」を可能な限り下げ、それに対する毎年の「ランニングコスト削減額」を可能な限り増やす努力が必要です。後者のランニングコストについては、適正な「燃料費」の下で「稼働時間」をしっかりと確保することがポイントになります。また運転面では、木質バイオマスボイラーの特性をよく理解して適正運転に努めることが稼働時間の確保と、保守・点検費の削減を通じてランニングコストの抑制に寄与します。また、更に保守・点検を自社で行うことにより、この費用を削減することができます。

動画:木質バイオマスエネルギー ~日本の森林を活かして 地球温暖化を救え!~